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Story

佳きご縁、ふたたび

2018年5月に100年史を納品して、5年後。つまり2023年の年末に、あの時と同じ担当者の方から仕事のオファーをいただいた。内容は、エンジン生産120年となる2025年に向けたパンフレットを作りたいというものだった。とても嬉しかった。僕のことを憶えていてくださったこと、選んでいただいたこと。この方はとにかくあらゆることに精通されており、博学で記憶力も極めて高く、まさに会社の重鎮、生き証人と言える存在だった。僕はいただいた素案を元にしてページネーションを作り、提案した。返事はすぐに来た。役員の方にも気に入っていただき、100年史のときと同じように再び月に一度の打ち合わせがはじまった。僕が感動したのは、インタビューをした社員の方が全員、創業者のフィロソフィーをもっておられたことだ。表現は違えど、異口同音に「技術で社会に貢献したい」という「夢」を語ってくださったのだ。そもそも会社ができた経緯は、獲れたての新鮮な魚を少しでも速く運んで多くの人々に美味しく食べてもらうために鮮魚運搬船の石油発動機を開発したことに始まる。今でいうベンチャー企業だ。僕自身も、クリエイティブで社会に貢献したいという気持ちが強い。この案件では、校正校閲と印刷以外のすべてのプロセスを担当させていただくチャンスをいただき、とても光栄に思う。それと実は今回、不思議な体験をした。制作を進めていくうちに、このタイミングで最初と最後に二人の創業者の肖像画を大きくして入れようという話になった。不思議だったのはそこからだった。諸事情で数ヶ月ほど止まっていたスケジュールがなぜか急に動き出したり、難航していた写真の掲載許可があっさりOKになったりした。何かに守られているような気がした。いずれにしても、あの方と再びお仕事ができたこと、関わった全員が力を合わせたお蔭でいいものができたという事実が、嬉しくて嬉しくてしかたない。​

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担当業務/

​営業工務、クリエイティブディレクション、プランニング、編集、デザイン、コピーライティング、取材、写真撮影

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