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Story

いただいたエール

「じゃあ我が社のこの繊維素材、どうやって売ればいいですかね?」というご相談を受けた理由は、その担当者さまと別件の会議で使ったカタログがあまりに分厚すぎたために僕が「うーん。この中から商談でベストな商品をレコメンドするのは大変かもしれませんね」と言ったからだった。指摘する以上は、いいアイデアを提案するのが礼儀だし、クリエイターとしてはお客様の課題をクリエイティブで解決するのが仕事だ。僕は言った。

「わかりました、もし私が商談相手なら必ず興味がわく、わかりやすくて必要性を感じるカタログを提案します。御社の製品の価値を最大に表現されたものを」と。そしてこうお願いした。「デザインとはレイアウトすることではなく、対象がもつ価値を整理整頓して可視化することなんです、相手の心理を計算することなんです、だから伝えたい内容が載った資料をください!」と。数日後、僕は紙袋がちぎれそうなほどの分厚い資料を預かることになった。闘争心に火が付いた。そして数週間後、僕は役員さんたちの前で丁寧に説明した。

「商談相手がもっとくわしく知りたいと思うようなギュッと濃縮したものを用意しませんか」

「なるほど、このギュッとやら、おもしろそうじゃないですか」

後日、その担当者さまが言ってくれた。「社長が気に入っていました」と。

すごく嬉しかった。これでいいのだ、このまま進んで行きなさい、というエールをいただいた気がした。

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担当業務/

​営業工務、クリエイティブディレクション、プランニング、編集、デザイン、コピーライティング

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